アメリカ/車の売買
アメリカにおいてはよほど公共交通機関（バスや電車）が充実している都心部以外の地方では車は必需品です。
日本から渡米し車が必要な地方に住む場合、まず何が必要かと言えば車を買うことではないでしょうか。
短期間であればレンタカーでもいいでしょうが、長期になると金額もかさみますし できるだけはやい時期に車の購入が必要になってくると思います。
そして日本に帰国する際には車を売ることが必要ですね。
他には車を買い替えたい場合も出てくるかと思います。
アメリカにおいて車の売買をどうやってすればいいのか、どの方法がいいのか ここにまとめてみたいと思います。
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車を購入する
新車で買う場合はディーラーで買うことになりますが、中古車の場合はディーラーで買う、個人売買で買うのふたつの方法があります。
ディーラーで購入する
この方法が一番安全な方法です。
なぜならディーラーで買う場合、中古車のメンテナンスをきちんとしてから販売しているからです。
アメリカの場合、日本に比べて走行距離がはるかに多い場合が多いので それだけ故障する可能性も高いわけです。
購入してからもメーカーによるWarranty (保証) がつきますので、乗っていて不具合がある場合でも無償あるいは安価で修理してくれる場合が多いです。（ディーラー、車の年数によります）
購入時はどういう状況の車かをディーラーの担当に確認し、試乗させてもらいます。気に入れば交渉に入ります。
個人売買よりは値段が高い場合が多いですが、交渉次第で値引きもありますので 英語力に自信のある方はディーラーでの購入がいいでしょう。
個人から購入する
ディーラーで買うよりは安く車を手に入れることができますが、そのぶん安全かどうかは自己責任になります。
なぜなら前のオーナーが乗っていた状況での引き取りになり、もし車に何らかの問題があったとしてもメンテナンスなしで購入することになるからです。
前のオーナーが乗っていた時には問題なかったが 購入して数ヶ月で調子が悪くなった場合であっても文句が言えません。
車はいきなり調子が悪くなるので、個人売買で購入する場合はそのへんの覚悟が必要です。
個人売買で購入する場合、必ずKelly Blue Book（外部リンク参照） を見ておきましょう。アメリカでは中古車の値段はこのサイトの値段を基準に取引されることがおおいので、相場を知ることができます。
個人での車の売買の場合、売り手はやや高めに価格設定している場合が多いので値段交渉をすることを念頭に置いておきましょう。
実際の交渉時にはできれば一人で行かないで車に詳しい人に同席してもらった方が安心です。
車を見せてもらった際に事故歴の有無、車の現状、メンテナンス状況（オイル交換を定期的にしているかなど）を必ず確認します。できれば試乗したほうがいいでしょう。
交渉がまとまれば車の権利書(通称 Pink Slip)に、売り手と買い手がそれぞれ記入するところを記入し、サインして DMV (Department of Motor Vehicle) に持って行けば契約は完了します。
後ほど自分がオーナーになった新しい Pink Slip が送られてくるので大切に保管します。
車を売る
ディーラーで売却する
最も簡単な方法で早く確実にお金を手にすることができます。売却価格さえ折り合いがつけば、すぐに（ほとんどその場で）買い取ってもらえます。
ディーラーでは整備や人件費や手数料などのさまざまなコストがかかります。その上で利益を出さなければいけないので、個人間取引きに比べ売却価格が安値になる場合が多いようです。
Kelly Blue Book を見て、自分の車と同じ年式、タイプ、走行距離の車が市場どのくらいで売られてるのか 調べておくのがいいでしょう。
交渉が成立したら書類上の手続きが終わり次第車両を引き渡します。
買い替えでなく、引越しや帰国で手放す場合はその前日や当日まで車がないと困る場合があります。そんな時はディーラーの担当者にその旨伝えると引渡しの延長をたいていOKしてくれるようです。
契約をする時に「いつまで車を使いたい」という旨をあらかじめ話し、その上で交渉するのがいいと思います。
個人に売却する
個人に売るのは中間でマージンを取られない分ディーラーよりも高い値で引き取ってもらえることが多いのですが、それなりに労力がかかることは覚悟をしておいた方がいいでしょう。
売却を急いでいないならまず個人の買い手を探し、それがダメな場合にディーラに売却するという方法をとるのがいいかもしれません。
知り合いではない人に売却する場合には 代金の受け取り方などについてはしっかりと確認しておくのがいいでしょう。
整備や修理の履歴の記録があれば提示しましょう。購入希望者から提示を求められるので準備しておきましょう。
一般のアメリカ人は、個人売買を希望する広告の値段に対したいてい1割くらいは交渉の余地があると考えていることが多いようです。
値切られることを考慮に入れて価格を決定しておきましょう。
交渉が成立したら、その場で手付金のような形で代金の一部を受取っておくか、約束した内容を一筆書いてサインをもらっておきましょう。
車の売買に必要な書類はTitleです。
このTitleの裏面の上半分が売却側の人が記入する欄になっていますので、売却日・売却価格・購入者名・走行距離・車の現ユーザー名、住所を記入してください。
記入ができたら TitleをNotary Public （公証人）の所へ持っていって、その人の前で車の所有者が署名してNotarizeしてもらいます。
Notarizeしてもらったら、あとはTitleを購入者に渡して個人売買の手続きは完了です。
DMV等で手続きが必要なのは購入者側です。購入者がDMVで登録する際に売買価格等を証明するものを要求されることもあるので 売買の証拠として簡単な書類を作っておきましょう。
個人売買に関しては、高く売れるというメリットもありますが、登録の不備や詐欺まがいの話も良く聞きますので、くれぐれも気をつけてください。
登録はそのままにしておいて 違反のSLIPが後から前の持ち主のところに…という事例があるそうなので、個人売買の場合は注意しましょう。
車の買い替え
車を買い替える場合はディーラーで行うのがいいでしょう。
売りたい車の下取り価格を上乗せしてくれる場合がありますし、買いたい車の値引きも下取りがないケースより大きく引いてもらえる場合があります。
一番の理由は手間が1回ですみ楽であることです。
書類上の手続き（保険の組み替え、Titleの変更）などの面倒な手続きをディーラーでしてもらえます。
これをすべて個人でやろうとするとかなり面倒です。
車を買い替える場合は個人売買ではなくディーラーで契約する方がいいと思います。
個人売買で買い替えをする場合は、上記の「個人に売却する｣「個人から購入する」を同時に行うことになります。
リース契約
車のリースとは「自動車を特定のユーザーに、一定期間・一定の料金で賃貸」する契約をして車を運転することです。
リース契約の場合ユーザーには車の所有権はありません。ただし購入した場合と同様に車を使用することができます。
ローンで車を購入する場合に比べ月額の支払いを低くすることができるようですが、契約期間が短いと普通にローンを組んで買うのと変わりはないそうです。
リース契約は計画的・長期継続使用をする場合で、契約は24ヶ月、36カ月（72ヶ月もあり）が一般的です。
所有者はリース会社、使用者はユーザー名義、利用料金は月額均等払いです。
新車や中古車を買う場合とまったく同じく リース額はディーラとの交渉により決まります。
リース契約にはダウンペイメントがかかり、契約時に「頭金」のような感じで数千ドル（車種によって異なります）必要です。
このダウンペイメントとは車のリースにかかるTAXで契約時、あるいは契約終了時にまとめて支払わなければならないようです。交渉によってこのダウンペイメントを0にすることも可能ですが、そうなると月々のリース料が割高になってしまうようです。
数年毎に新車に乗り換えたい、リース料が経費で落とせる、あるいは、超高級車に一度は乗ってみたい…などの理由がある場合にはリース契約がおススメです。
リース契約のメリット
契約期間ごとに新車に乗ることができます。
車種・グレード・色・仕様・内装・設備・オプション等、予算の範囲である程度自分の好きなように選べることができます。
契約満了時の返却は手続きが簡単です。また、そのまま買い取って乗り続けることもできるようです。
リース契約のデメリット
クレジットヒストリーがないと契約出来ない場合があります。つまり渡米してすぐの場合は個人でリース契約はできません。会社がリース契約をしてる場合は可能です。
2年以下などの短期の契約はできないことが多いようです。
事情が変わってもリース契約を短縮することができません。3年契約をして2年しか乗らなくても3年分のリース費用＋ペナルティを支払う必要があります。
ディーラーからのリースはほぼ全てマイレージ制限があります。返却時にオーバーしていた場合 1マイルにつきいくらといった追加料金がかかります。
なので距離を走るユーザーはリース契約をするとかなり割高になってしまいます。
保険の費用が一般の車を購入した場合の保険より高額になるようです。
車の改造などしてはいけません。
リース終了時にあまりに車の状態が悪いと何らかのペナルティ（追加料金の支払いなど）が課せられることがあります。
渡米してすぐに車を購入する場合
アメリカの運転免許証を取得するには2〜3ヶ月かかることがあるので、車が必要な地域に住んでいる場合は免許証を取得する前に車を購入しなければ生活ができません。
ディーラーで車を購入する場合はその州の運転免許証があればすぐに購入できますが、渡米してすぐの場合はその州の運転免許が未取得の場合がほとんどなのでいろんな証明書等の書類が必要になってきます。
アメリカの有効な運転免許証がない場合の車の購入
SSNを取得していたら持参しましょう。
国際運転免許証、会社員の場合は会社に就職しているという証明書、学生の場合は学生証、アパートメント等の契約書、銀行のキャッシュカードなど、あらゆる証明書を持参しましょう。
ローンで車を購入する場合（クレジットヒストリー）
現金一括払いで車の購入をされる場合は問題はないのですが、ローンでの購入の場合は「クレジットヒストリー」が必要で、この「クレジットヒストリー」がないとローンが組むことができないことがほとんどです。
「クレジットヒストリー」とは購入者の支払能力に関する情報ということであり、アメリカの場合、「クレジットヒストリー」がないと支払いの能力がないという意味になります。
ローンで購入を考えている場合は、クレジットヒストリーのスコアを良くしてから…ということになります。
その他
- 買い替えの場合はナンバープレートをそのまま買い替えた新しい車に取り付けることができます。（この場合費用は無料）
- 車を売却した際には自動車保険の解約を忘れずに行いましょう。満期前に解約した場合は、差額がチェックで戻ってきます。
- 個人売買で車の買い替えをした場合、自動車保険の組み替え、Titleの変更を忘れずに行いましょう。ディーラーで買い替えをした場合はすべてディーラーでやってもらえます。
- 州によっては車検がない州があります。車検がない州では事故車、水没した車などが売られるケースがあるので、できるだけ信用のおけるディーラーで購入した方がいいでしょう。
- 極端に安い車は外見がきれいでも状態が非常に悪い場合があるので要注意です。
